憧れと現実

 探偵になりたい憧れをいだく若者は多い。

探偵の現実を知って1年未満でドロップアウトする若者を目にする。探偵学校などにお金をかけて探偵を志す若者は覚悟があるのだと私個人は勝手に解釈して多くの若者を見守ってきた。

ドラマの中の「松潤」や映画のなかの「大泉洋」に憧れて探偵を志してもリアルな探偵の日常とのギャップはあまりにも差がありすぎる。

どんな職業でも同様のことが言えるが「その時々が万事」であると。

若い探偵は気がつけずに去ってゆく。5年10年探偵の飯を食って生きていけば「世間の注目する依頼」の仕事もいくつか経験する。だが、退屈な日常が多すぎて自分を試す「晴れ舞台」の前に殆どの若者は去ってしまう。正直、残念でならない。

ドラマや映画のように「手に汗にぎる緊張の瞬間」は現実の探偵にも実在する。

その依頼が来る日まで日々精進なのだと思う。