アナログ探偵だったころ

 秋が近づくと思い出す。まだ、私が20代の若造で先輩探偵の足を引っ張っていた頃。毎日のように調査現場を数軒はしごしたりと多忙な日々を送っていた。早朝から深夜まで仕事で、寝る以外の時間は尾行尾行尾行・・・・(疲れて帰宅できず車中泊もざらにあった)

そんな秋の日曜日、千葉県某所の浮気調査を一人で行っていた。当時は機材もアナログで広域無線だけがデジタルだったと記憶している。その日の調査も終盤にさしかかったところで対象者が車輌で警察署裏に在するマンションに入った。当時としては新しいオーロックで対象者がどの部屋に入ったかつきとめられなかった。

警察署は地下鉄サリン事件以降警戒が厳しく警備の警官が立哨するようになった。