依頼人の帰宅がやや遅くなる水曜日と金曜日を調査実施曜日に選定し、午前中より調査を開始。15時の状況をみて調査の継続を判断する取り決めをした。
調査を開始し4日目の午前11時過ぎに対象者がベビーカーに息子を乗せて外出した。普段家事をする格好と大差なく油断していたのが悪かった。
自宅から主要道路に出る途中で公園沿いの物静かな並木道に停車中のワゴン車に乗車し後手を踏んでしまった。間違いなく成人男性の運転車輌だった。
状況的に尾行は継続できずにその日の調査は「男性の影有り」止まりになってしまった。しかし、子供を連れて不倫とは驚かされた。それともう一つ嫌な可能性が頭の中で浮上していた。
数日後、対象者とベビーカーを乗せて走り去ったワゴン車の保管場所が判明した。日中に様子を伺いに行ったがガレージに車輌がない事から、仕事が不規則か車通勤しているかどちらかだと容易に推測できた。
本来ならば調査対象を男性に代えるところなのだが「対象者との婚姻の継続」と「浮気を止めさせる」ことが前提のため浮気相手の男性を特定した調査は行わなかった。