興信所の聞き込み調査

「google先生」という言葉もあるように、ネットで検索すれば多くの情報が拾える時代になりました。

しかし、ネットにはガセネタも多くあり、いくら検索しても出てこない情報もあります。

出てこないものは、例えば無名(特別な有名人ではない)の個人に関わる情報やエピソードなど。

そのような情報を手に入れたい時に効果を発揮するもの一つが興信所による聞き込み調査です。

個人情報やプライバシー保護、赤の他人と関わりを避ける等の風潮から、人の口から情報を手に入れるのは難しくなってきてはいます。

聞き込みに行った際、意外なほどの人の冷たい反応に戸惑うこともあったりします。まあ、そもそも赤の他人に自分の知っていることを話してメリットがあるケースの方が少ないんですけどね。

しかしそれでも、経験のある興信所調査員であれば、そのような状況の中、情報を手に入れることができるのです。

腕のいい新聞記者などと少し似ているのかもしれません。

事件の裏側

探偵という職業柄「世間を騒がせた事件」に調査で関わる機会がある。

犯人が居住していた場所や幼少期を過ごした地域などにも行く。

ニュースでは伝わらない「犯人の素顔」に近づく瞬間があり、犯行にいたる経緯が見え隠れする。

子供の頃はどのような性格で家族の生活環境や職業や貧富の状況なども話しに伺うことができる。事件が起こる経緯は様々であり「流されるように」事件に発展してしまう生活環境に身を置いてしまっている事が理解できる。

本質にふれる瞬間は探偵に与えられた特別な時間である。

マスコミ報道に関わる職業も同様な感覚をお持ちかと思うが「心が揺れる」感覚が訪れる場所場所で湧き起こる。押さえられない感情の起伏は「足で情報を稼ぐ探偵」ならではのものだろう。

取り返しの付かない「事件や疑惑」は人間社会にしか存在しない。

探偵のイメージと現実

フィクションの世界で活躍する探偵は型破りで法律を無視できる。現実に平成という時代に実在する探偵達は「探偵としての常識」をもって調査を実施しなければ廃業を余儀なくされる。現実社会の探偵に格好良さはみじんもない。

現実社会の探偵は世間の常識や風潮に敏感なアンテナを持ち、緻密に情報収集活動を行う。はっきり申し上げて「地味な仕事である」。探偵以上に地味な仕事内容を見たことがないくらいである。

そんな実際の探偵とは対照的に架空の探偵は自由気ままに「自分の生き方」を前面に打ち出し生きて行ける。思うがままに生きる事は現実社会においては「リスク」が存在し選択しがたい傾向が強い。理想や夢は持っていても現実という高いハードルを越えられない方がほとんどだろう。

探偵に限らず「肩書からのイメージと現実のギャップ」は想像以上にかけ離れ「イメージダウン」の傾向にある。

少しでも理想に近づきたい「この気持ち」が残っているだけ夢があるのかもしれない。

探偵の基本

探偵の基本はシンプルで理解しやすい。

探偵業務について日が浅い人物であっても「基本さえ心がけて業務を行って」いれば「探偵と呼ばれる資格がある」といえるだろう。

簡単な基本は日常業務の全てに相通じている。報告書に掲載する「画像選び一つ」をとっても「少しでも良い画像を」と考える探偵と「状況が理解できれば何でも良い」と考える探偵に別れるところだろう。

依頼人にとって「優秀な探偵」がどちらの探偵か?あらためて言葉にする必要はないだろう。

他にも探偵の優劣を判断する場面はある。

長期間に及ぶ調査案件において「退屈な日常の繰り返しを調査」する事があるが、殆どの探偵は「機械的な調査」を繰り返し実施するだけになる。同じ状況の中にも細かな変化を見つけ出す「調査人として必要なモチベーション」を維持継続し高める行為が出来る探偵は基本が出来ている。

このお話しは「探偵の基本」が何であるかを問うている。

探偵業務に従事している方ならば「即答できる基本」である。この問いに答えられない探偵が存在する事は無いと信じている。

探偵に必要な認識力

御依頼者の極めてプライベートな案件を取り扱う探偵業において「探偵の基礎的な認識力」は極めて重要となる。

依頼人が思い描く「ベストな調査結果」を導き出すために「探偵がチョイスする調査手法」がマッチするかどうか?の場面で「依頼人のオーダーを認識」する力が最も必要になるからである。

依頼人の意向を探偵が「充分に認識できない」状況下で調査を実施した場合に発生する「依頼人からの要望」は調査が進行した段階で増加することは危険である。

如何に経験豊富な探偵であっても「調査前の認識違い」を調査で回復することは困難であり、必ずと言って良いほど「言った言わない」のトラブルに発展する。お互いの認識を契約時に確認し合い「充分な確認」を済ませた上で調査に着手する事がのぞましい。

基本的な事ではあるが何事「コミュニケーション欠如」は負の要素を生み出すきっかけになるので充分注意したい。