精神力

 探偵が行う調査は様々である。

多くの調査は単発的な結果を得て「依頼人に報告」となる。調査結果を得る為に費やす時間と日数がかからない調査であるとも言える。時に依頼人の執念や「感情が依頼の原動力」になっている調査案件はかかる日数や費用に関係なく長期化し「依頼人の気が済む」まで調査が行われる。

調査を行う探偵達の「もてる力全て」をもって調査にあたらなければ完遂しない案件であると共に「依頼人とのコミュニケーション」が重要なポイントとなる。無理をしない調査のガイドラインの取り決めを設定し危険や冒険をしない調査を実施する。

過去に継続的ではあるが2年間にわたり調査を実施した経験がある。

重要な情報に関わる「動き」の有無を判断し調査の「継続」か「打ち切りか」の判断も速やかに行う。無駄に長時間の調査は禁物でありリスクが増える。最重要な結果が出た日などに現場調査を行っていた探偵のプレッシャーがどれ程か想像していただきたい。探偵の仕事とは日々の調査で培われた「精神力」が強大なプレッシャーに勝らなければ「結果」が得られない職業といえる。

体力と精神力

 探偵は地味な日常を送っている。依頼が入ると「対象者より早起きし対象者の就寝」を見届ける。人によっては「ハードな毎日」と思う様だが慣れてしまえば問題ない。

探偵のプライベートは「地味」そのもの。(私個人の場合)

多くの依頼現場は「調査終了後帰宅し、食事して寝る」を繰り返す日常が進行してゆく。現場が「生活の場」と言っても過言ではないと思う。そんな毎日のなかで「現場にとけ込む術」を自然と体得してゆく。

個人的な考えになるが調査に日数が掛かれば掛かる程、現場にとけ込めなければ悪循環が発生する。

周辺住人の警戒心に触れたり、遠回りに対象者の身内に存在を悟られたり。これらが悪循環の最たる物と言える。全ての調査現場が悪循環になる訳ではないが「現代社会の防犯意識」が高まった事から、一昔前と同じ調査の手法では通用しない現状にある。

昔の探偵より「現代の探偵」に求められる「体力と精神力」は並大抵ではない。