探偵像

依頼人が想像する探偵像は実にさまざまである。

トムクルーズが映画で演じたスパイを想像し「不可能を可能にする男」が実在するかのように探偵にイメージを重ねられても・・・・

他には小説に登場する「金田一先生」的な想像をお持ちでご来社される相談者も現実に存在し少々調子が狂うこともしばしば。

現実の探偵が行う調査をご説明し「生身の人間による等身大の調査」をご理解いただくことから始まり、その調査に関わる費用説明や調査に要する日数なども合わせてご理解いただく。

もし、この御説明に理解が得られない場合は調査を契約するには至らない。

誠実な探偵であるならば「御依頼者の理解」を抜きにした調査委任契約は行わない。探偵業法にそった「必要事項説明の義務」を怠る可能性が否定できない理由が存在しているからに他ならない。

現実に存在する探偵は「法規にしたがい誠実な対応」を御依頼者に実施しなければ「ご依頼を承る」ことができない存在なのである。

調べる

探偵は疑い調べることが日常業務である。

下調べや情報収集に時間を費やし「有力情報」にたどり着き御依頼者が欲している調査結果に行き着くのである。

スピード解決は理想的であるが「基本に忠実に手順良く情報確認」が望ましい調査の順序といえる。

昔は「現場に足を運び細かな情報を得る」が調べ事の王道と言えたが現代は様相に変化が生じ「ネットで充分な下調べ」を行い「情報収集に現場に赴く」の手順が最も効率よく効果的で的確な手順である。

ネット情報の下調べが「ラフ」であった場合には「調査結果にたどり着けない」案件も存在し「手順の重要性」と「入念」さが欠ける事が調査に大きく影響する。

仕事の手法も問題となるが「結果を得るための下調べ」は探偵の第一歩言え、この重要性を認識できない調査は「情報量・スピード・信憑性」いずれにおいても不安定であり依頼人の信頼を得られない可能性がある。

興信所の聞き込み調査

「google先生」という言葉もあるように、ネットで検索すれば多くの情報が拾える時代になりました。

しかし、ネットにはガセネタも多くあり、いくら検索しても出てこない情報もあります。

出てこないものは、例えば無名(特別な有名人ではない)の個人に関わる情報やエピソードなど。

そのような情報を手に入れたい時に効果を発揮するもの一つが興信所による聞き込み調査です。

個人情報やプライバシー保護、赤の他人と関わりを避ける等の風潮から、人の口から情報を手に入れるのは難しくなってきてはいます。

聞き込みに行った際、意外なほどの人の冷たい反応に戸惑うこともあったりします。まあ、そもそも赤の他人に自分の知っていることを話してメリットがあるケースの方が少ないんですけどね。

しかしそれでも、経験のある興信所調査員であれば、そのような状況の中、情報を手に入れることができるのです。

腕のいい新聞記者などと少し似ているのかもしれません。

事件の裏側

探偵という職業柄「世間を騒がせた事件」に調査で関わる機会がある。

犯人が居住していた場所や幼少期を過ごした地域などにも行く。

ニュースでは伝わらない「犯人の素顔」に近づく瞬間があり、犯行にいたる経緯が見え隠れする。

子供の頃はどのような性格で家族の生活環境や職業や貧富の状況なども話しに伺うことができる。事件が起こる経緯は様々であり「流されるように」事件に発展してしまう生活環境に身を置いてしまっている事が理解できる。

本質にふれる瞬間は探偵に与えられた特別な時間である。

マスコミ報道に関わる職業も同様な感覚をお持ちかと思うが「心が揺れる」感覚が訪れる場所場所で湧き起こる。押さえられない感情の起伏は「足で情報を稼ぐ探偵」ならではのものだろう。

取り返しの付かない「事件や疑惑」は人間社会にしか存在しない。

探偵のイメージと現実

フィクションの世界で活躍する探偵は型破りで法律を無視できる。現実に平成という時代に実在する探偵達は「探偵としての常識」をもって調査を実施しなければ廃業を余儀なくされる。現実社会の探偵に格好良さはみじんもない。

現実社会の探偵は世間の常識や風潮に敏感なアンテナを持ち、緻密に情報収集活動を行う。はっきり申し上げて「地味な仕事である」。探偵以上に地味な仕事内容を見たことがないくらいである。

そんな実際の探偵とは対照的に架空の探偵は自由気ままに「自分の生き方」を前面に打ち出し生きて行ける。思うがままに生きる事は現実社会においては「リスク」が存在し選択しがたい傾向が強い。理想や夢は持っていても現実という高いハードルを越えられない方がほとんどだろう。

探偵に限らず「肩書からのイメージと現実のギャップ」は想像以上にかけ離れ「イメージダウン」の傾向にある。

少しでも理想に近づきたい「この気持ち」が残っているだけ夢があるのかもしれない。