西日暮里

 我が探偵社が西日暮里に本社を構えて早いモノで30年以上が経ってしまった。山手線内で一番新しいとされてきたJR西日暮里駅も新駅が新たに建設される事になり少し寂しくもある。お隣駅である日暮里駅前の発展は目を見張るモノがあり「日暮里舎人ライナーの開通」で足立区との橋渡しも好評。そんな便利な近代化が進む一方で昔から観光客がとぎれない「谷根千エリア」の玄関口としても利用率が高い。外国人観光客が多い昨今、京成スカイライナーの存在も忘れてはならない。意外にも国際色豊かな日暮里駅・西日暮里駅周辺は見所満載の街でもある。

精神力

 探偵が行う調査は様々である。

多くの調査は単発的な結果を得て「依頼人に報告」となる。調査結果を得る為に費やす時間と日数がかからない調査であるとも言える。時に依頼人の執念や「感情が依頼の原動力」になっている調査案件はかかる日数や費用に関係なく長期化し「依頼人の気が済む」まで調査が行われる。

調査を行う探偵達の「もてる力全て」をもって調査にあたらなければ完遂しない案件であると共に「依頼人とのコミュニケーション」が重要なポイントとなる。無理をしない調査のガイドラインの取り決めを設定し危険や冒険をしない調査を実施する。

過去に継続的ではあるが2年間にわたり調査を実施した経験がある。

重要な情報に関わる「動き」の有無を判断し調査の「継続」か「打ち切りか」の判断も速やかに行う。無駄に長時間の調査は禁物でありリスクが増える。最重要な結果が出た日などに現場調査を行っていた探偵のプレッシャーがどれ程か想像していただきたい。探偵の仕事とは日々の調査で培われた「精神力」が強大なプレッシャーに勝らなければ「結果」が得られない職業といえる。

宣伝効果

 探偵は依頼が無くては困ってしまう。

依頼人の目を引く「宣伝」を打つか?人つてや紹介で依頼を得るか?選択肢は大きく別れるところ。殆どの探偵は宣伝を行い「己の存在を世間に」アピールする手法を選択している。

個人の一匹狼的な探偵事務所から調査員を複数かかえて多くの案件をこなす探偵社まで「宣伝」は生命線とも言えるだろう。宣伝が下手な探偵は己のアピールが上手に出来ないので「暇」と日夜格闘している。

探偵ドラマにたびたび登場するシーンに「事務所内で居眠り」が想像しやすいシュチュエーションと思う。最近放送中の探偵ドラマにも酷似したシーンを「オダギリジョー」が好演していたと記憶している。スクリーンの探偵達は宣伝する苦労が無くうらやましく格好良い。

探偵の原点

 探偵は秘密裏に情報を収集し依頼人に有意義な報告を行う職業である。

昭和の時代は上記の定義が「探偵」に当てはまっていたと考える。現代も同様の定義がふさわしいかは疑問である。個人情報の取り扱いに制約が多く依頼する立場の人物に「調査の必要な理由」を伺い違法性が無いか判断し「同意を得て」調査活動を行わなければならない。当然の事ながら「実施される調査」も違法性があってはならない。

何が言いたいか?「現代は秘密裏に情報を得られない」現状である。

個人情報の取得に制限があり「正当な事由」無くして正確な情報入手は出来ないと言える。そんな法規制の現状にあり探偵が職業として将来存続するか?疑問に思う今日この頃、廃業を余儀なくされる大手探偵社や新規参入業者はこの先増加傾向が予想される。存続してゆく探偵達は「本業」を持った片手間探偵になり「仕事のクオリティー」を危ぐする声を多く聞く。

このような時代だからこそ「探偵一本」でやって行ける業者の信頼価値は高いと個人的には考えている。

処理能力

調査を行う探偵に必要な資質に欠かせない「処理能力」。

現場で得られる情報から必要な情報や有意義な事柄を記憶しとどめ「円滑な調査」の骨組みを構成してゆく。依頼人が求める事柄を理解していれば問題なく「報告が内容の濃い」ものになるはずである。

しかし、調査が行き詰まった時には「方向性の見直し」が求められ、調査のアプローチを変えて結果を求める事も必要になる。例えるならば「最短距離で目的地」を目指していたが工事中通行止め箇所があり「回り道」を余儀なくされる。どの調査項目でも必要になるケースであり「探偵の経験値」が問われる場面でもある。

おのずと「御依頼者にも調査難航」の中間報告とアプローチの変更を告知しなければならない。

右から左の「データ単票」調査と違い探偵自身の総合力が必要になる。代表的な浮気調査にもそんな場面は訪れる。対象者の職業が不明で自宅から調査を実施した場合に「何時から調査を実施するか?」なども「経験がものを言う」場面と言える。前日の調査で夕方に合流し飲食をした後、自宅をつきとめた経緯から「仕事の終わり時間を推測」できる事や「髪型・服装や持ち物」も職業柄のヒントと成り得る。この場合は一般的な出勤時間を想定して「調査を開始」する事が判断として正しい。

もし、この判断に対象者の動きが引っかからない場合は後日改めて「時間帯を変更」が必要になる。これがアプローチを変える行為にあたる。特別な情報がない限り「調査手法の変更」は行われない。御依頼者の要望があり翌日も「同じ時間帯で調査を実施」する場合が希にあるぐらいかと思う。

調査現場で問われる「処理能力」は調査期間や調査費用にも関わりスムーズな調査報告に必要不可欠。経験豊富で誠実な探偵ならば「経験値や判断」に間違いが少なく信用できる存在である。