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浮気調査は
アプリで可能なのか

パートナーの浮気疑惑に直面すると、感情の動揺が大きくなることも理解できます。しかし、相手のスマートフォンに監視アプリを導入することは、法的・倫理的な問題が複雑にからみ、慎重に考える必要があります。

まず、プライバシーの侵害は法的な問題に発展する可能性があります。無断で相手のスマートフォンにアクセスし、通話履歴やメッセージを監視することは、個人の権利を侵害する行為とされることがあります。これには法的な制約や罰則があるため、法を遵守することが重要です。

また、相手に対して信頼関係を損なう可能性があります。秘密裏に監視することは、お互いの信頼を根底から揺るがせることになります。これが後々、関係を修復することが難しくなる一因となります。

代わりに、感情や疑念に対処するためには、オープンで率直なコミュニケーションを重視しましょう。相手に対して不安や疑念を伝え、お互いに理解し合うことが、関係を守りながら問題解決に繋がる可能性が高まります。信頼を築くためにも、透明性と尊重が不可欠です。

近年、審査基準が甘いAndroidアプリが多くリリースされ、スマートフォンを所有していれば誰でも手軽に入手可能となっています。このことが、ある程度の浮気調査が可能であるという風潮を生み出しています。

一部のアプリは、位置情報や通話履歴、メッセージの監視など、様々な機能を提供しています。これらのアプリは、利用者が対象者の行動をリアルタイムで把握できるという特徴を持っています。しかし、これらのアプリの使用は慎重に行わなければなりません。

一方で、これらのアプリを使用することが法的に問題となる可能性もあります。プライバシーの侵害や法に反する盗聴行為は罰則があるため、合法性に留意する必要があります。また、これらの行動が相手に対して信頼関係を損なう原因となり、逆に問題を引き起こす可能性もあります。

浮気疑惑に対処する際は、相手とのオープンな対話や専門家への相談が良いアプローチとなります。感情や疑念を共有し、冷静な判断で問題に取り組むことが、関係を守るために重要です。

このアプリによる監視行為は、法的には「不正指令電磁的記録に関する罪」に該当する可能性があります。この罪は、他人の電磁的な記録を不正に取得し、使用する行為を指します。不正に他者の通信を盗聴し、位置情報や通話履歴を把握することは、この罪に該当する行為とされます。

刑法168条の2及び168条の3に基づき、不正指令電磁的記録に関与した場合は、厳しい刑罰が科せられる可能性があります。これには懲役刑や罰金刑が含まれ、個人のプライバシーを侵害する行為に対する法的な規制が厳格化されています。

したがって、アプリを使用しての監視行為は、法的なリスクが伴うことを理解し、合法性に配慮することが不可欠です。感情や疑念がある場合は、法を遵守し、相手とのコミュニケーションを重視することが重要です。合法的かつ倫理的な手段で問題に対処することが、関係を守る上で賢明な選択となります。

(不正指令電磁的記録作成等)
第百六十八条の二  正当な理由がないのに、人の電子計算機における実行の用に供する目的で、 次に掲げる電磁的記録その他の記録を作成し、又は提供した者は、三年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。
一  人が電子計算機を使用するに際してその意図に沿うべき動作をさせず、又はその意図に反する動作をさせるべき不正な指令を与える電磁的記録
二  前号に掲げるもののほか、同号の不正な指令を記述した電磁的記録その他の記録
2  正当な理由がないのに、前項第一号に掲げる電磁的記録を人の電子計算機における実行の用に供した者も、同項と同様とする。
3  前項の罪の未遂は、罰する。

(不正指令電磁的記録取得等)
第百六十八条の三  正当な理由がないのに、前条第一項の目的で、同項各号に掲げる電磁的記録その他の記録を取得し、又は保管した者は、二年以下の懲役又は三十万円以下の罰金に処する。

法律で規定される「電子計算機」とは、コンピュータ全般を指し、その中にはスマートフォンも含まれます。日本の法律において、例えば「不正指令電磁的記録に関する罪」(刑法168条の2及び168条の3)は、コンピュータウィルスや遠隔操作アプリによる不正アクセス行為を取り締まるものとして制定されています。

この法律は、夫婦関係においても適用されます。夫が妻のスマートフォンに無断でアプリをインストールする行為は、同法違反となり、逮捕や罰則の対象となります。実際に、夫が妻のスマートフォンに無断でアプリをインストールし、その結果逮捕されるといった事例も報告されています。

夫婦間であっても、プライバシーの尊重や合法的な手続きを欠いた行為は法的な問題となります。信頼関係の維持や法の遵守が重要であり、感情や疑念がある場合は、透明性を持ったオープンなコミュニケーションが解決への良いステップとなります。

浮気調査アプリの実用性

「配偶者の位置情報」を知ることは、浮気調査において有益な手段の一つと言えます。この情報を得ることで、配偶者の居場所や行動が正直であるかどうかを把握し、疑念を解消する手助けとなる可能性があります。

特に、配偶者が居場所を隠したり、浮気相手の場所に頻繁に出入りしたりしているかどうかを知ることは、関係の信頼性を検証するうえで重要です。ただし、この情報が必ずしも全ての状況に適用されるわけではなく、個々のケースによって有効性が異なります。

一方で、この手法も慎重に使用する必要があります。プライバシー侵害や法的な問題が懸念されるため、合法的で倫理的な手段で問題にアプローチすることが求められます。感情や疑念に対処する際は、相手とのオープンな対話や専門家への相談も視野に入れ、冷静な判断が重要です。

但し、証拠は「それ(証拠)によって何が証明できるのか」を考えて集めなければなりません。

実際の裁判では、配偶者の位置情報だけで「浮気をしていること」「浮気相手がどこの誰である」等を証明するのは不可能と言ってもいいでしょう。

LINEをリアルタイムで監視・データ抽出が可能なアプリがありますが、LINEの履歴に不貞関係を示すような内容があれば証拠能力はなくはありません。

しかし、ID・パスワードでログインが必要なサービスにおいて、ログインしなければわからない他人の情報を取得すると「不正アクセス禁止法違反」に問われる可能性があります。

これらのアプリによる浮気調査は、前提として「配偶者がアプリを入れられたことに気づかない」という条件が必要です。しかし、この手法にはいくつかの法的および倫理的なリスクが存在します。実際の逮捕事例からも分かるように、相手に気づかれた場合、法的な問題が生じる可能性があります。

浮気に気づくきっかけとしてアプリが有用である一方で、法的には決定的な証拠とみなされることが難しく、逆に自身が犯罪行為に関与してしまうリスクが伴います。配偶者のプライバシーを侵害する行為は、法に違反する可能性があり、逮捕や法的な制裁を招くことになります。

したがって、浮気や疑念に対処する際には、法を遵守し、相手との信頼関係を損なわないよう慎重に行動することが重要です。感情や疑念がある場合は、オープンかつ率直な対話を通じて問題に取り組むことが、関係を守りながら解決に繋がる良いアプローチとなります。