配偶者の浮気相手が未成年（子供）だった場合、その法的な問題に対処することは複雑な事柄となります。まず、未成年者との関係においては法的な制約が厳しく定められています。不倫相手が未成年者である場合、法的には未成年者保護の立場から様々な規定が適用されます。
未成年者が法的に保護されている背景から、相手が未成年者であることは配偶者にとっても法的なリスクを伴います。しかし、慰謝料の請求に関しては、一般的には未成年者が法的に制約を受けていることが影響を及ぼします。未成年者は法的に制約されているため、一般的には成人と同様の慰謝料請求が難しいとされています。
ただし、具体的なケースによっては異なる結論も考えられます。法的な問題に関する判断はケースバイケースであり、専門家の助言や弁護士の意見を仰ぐことが重要です。配偶者の浮気による慰謝料請求が未成年者の関与によってどのように影響を受けるかは、具体的な法的なアドバイスを得ることが不可欠です。
未成年の責任能力
民法７１２条に未成年者の責任能力についての規定があるのですが、原則として未成年者には不法行為（不貞行為）の責任は発生しません。
第７１２条（責任能力）
未成年者は、他人に損害を加えた場合において、自己の行為の責任を弁識するに足りる知能を備えていなかったときは、その行為について賠償の責任を負わない。
未成年者が不倫相手である場合、法的にはその責任能力に関する問題が発生します。法律上、責任能力が判断される年齢は約11～12歳程度とされています。これは一般的に小学校6年生の年齢に相当します。
浮気や不倫に関与する年齢は通常、18歳前後が一般的です。このため、法的には未成年者が不倫相手であっても慰謝料を請求することは理論的には可能です。
ただし、注意が必要なのは、請求が可能であっても未成年者の支払能力に疑問が生じることがあります。支払能力がない場合、実際に慰謝料を回収するのは難しいかもしれません。
このような法的な複雑さや実務上の課題は、具体的なケースや地域によって異なります。法的なアドバイスや弁護士の意見を仰ぐことが、特に未成年者が関与するケースでは重要です。
未成年の親の責任
「未成年の不倫相手の場合、親に責任を問えるのでは…？」とお考えになる方もいらっしゃるかもしれません。
責任無能力な未成年者の不法行為は、その監督義務者に責任を取らせることができます。監督義務者とは通常は親が該当します。
第７１４条（責任無能力者の監督義務者等の責任）
責任無能力者を監督する法定の義務を負う者は、その責任無能力者が第三者に加えた損害を賠償する責任を負う。
ただし、監督義務者がその義務を怠らなかったとき、又はその義務を怠らなくても損害が生ずべきであったときは、この限りでない。
つまり、責任無能力の子供の責任は、原則として親が取らなければならないということです。
比較的ある例としては、子供が乗った自転車で老人を死なせてしまうなどがあります。
但し、責任無能力者の年齢の目安は上記の通り１１～１２歳ですので、浮気・不倫のようなケースでは監督義務者の責任が問われるケースはほぼないと言えます。
「不倫の慰謝料を相手の親に請求したい」としても、成年はもちろん未成年だとしても慰謝料を相手の親に請求できる権利は実質的には無いと言っていいでしょう。
未成年に責任を問える法律
民法７５３条に「成年擬制」という規定があり、未成年者でも婚姻をしていれば、民法においては成年と同じ扱いを受けます。
第７５３条（婚姻による成年擬制）
未成年者が婚姻をしたときは、これによって成年に達したものとみなす。
つまり、未成年でも婚姻している者は、民事にて生じた責任を自身で取らなければならないことになります。
これは離婚後でも一度婚姻をしたものは原則として成年擬制の効果は消えません。
逆の言い方をすると「未成年でも既婚者には慰謝料請求が可能」と言うことになります。
淫行条例について
地方自治体の条例には、青少年（既婚者除く１８歳未満）との性行為を行った場合の処罰を定めたいわゆる「淫行条例」というものがあります。
※東京都青少年の健全な育成に関する条例
（青少年に対する反倫理的な性交等の禁止）
第十八条の六 何人も、青少年とみだらな性交又は性交類似行為を行つてはならない。
真っ当な交際や恋愛関係であれば、一般的には淫行条例に違反することは考えにくいですが、例外もゼロではありません。特に、配偶者が未成年者との浮気に関わる可能性がある場合は、法的な問題が生じる可能性があります。このような事態は避けるべきです。
ご自身が比較的若い（20歳前後であるなど）場合や、配偶者がかなり年上である場合には、法的な観点からも注意が必要です。未成年者との深い関係においては、淫行条例違反のリスクが存在します。配偶者が未成年者と浮気をする状況は、法的なトラブルのもととなる可能性があるため、慎重に対処する必要があります。
異なる年齢層や法的な制約が絡む場合、法律に則った行動が求められます。具体的なケースにより異なる法的な側面を考慮しながら、法的な問題を避けるよう努めることが重要です。
淫行で逮捕されたら終わり
淫行で逮捕された場合、法的な問題に直面することとなります。淫行は法に触れる行為であり、逮捕される可能性があります。逮捕された際には、警察の取り調べや法廷での審理が待ち受けています。
淫行での逮捕は、個人や周囲の人々にとって非常に困難な状況を引き起こすことがあります。法的なプロセスや司法手続きに関するストレスは避けられません。逮捕後は弁護士の協力が重要で、法的なアドバイスや弁護活動が行われることで、被告人の権利が保護されることが期待されます。
淫行による逮捕を回避するためには、法に則った行動が求められます。個々の行為が法的に許容されるかどうかを理解し、法を守ることが重要です。淫行行為は法的な制約があるため、法を守り、法に基づいた健全な関係を築くことが大切です。
回避するには
淫行を回避するためには、法に則った行動と倫理的な観点を重視することが重要です。以下は淫行を回避するための一般的なアプローチです。
法的な制約を理解する: 各地域や国において淫行に関する法律は異なるため、まず法的な制約を理解することが必要です。法律を確認し、どのような行為が問題とされるかを把握しましょう。
相手の年齢を確認する: 法的な問題を避けるためには相手の年齢を確認し、法的な同意が得られているかどうかを確認することが大切です。相手が法的に成人であることを確認しましょう。
同意を尊重する: 関係においては常に相手の同意を尊重することが不可欠です。同意が得られない場合や相手が不安を感じる場合は、進展させないよう心掛けましょう。
コミュニケーション: 関係が進展する前に、相手とのコミュニケーションを大切にしましょう。お互いの考えや感情を理解し、不安や疑問があればオープンに話し合うことが重要です。
法的アドバイスの受け入れ: 不安や疑問がある場合は、法的なアドバイスを受け入れることが賢明です。弁護士や法律専門家に相談し、自身の行動が法に違反していないか確認しましょう。
法を遵守し、相手の権利や感情を尊重することが、淫行を回避する鍵となります。