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興信所の探偵 尾行時の
服装・変装

探偵が尾行する時の服装やファッションがどのようなものなのか、あるいは探偵は変装するのかどうか、気になったことはありませんか?

参考までに、よく聞く架空の名探偵たちの服装は次のようになっています。

架空の名探偵たちの服装の例

シャーロックホームズ

シャーロック・ホームズの服装は、非常に有名で、特に「鹿撃ち帽」「インバネスコート」「パイプ」「虫眼鏡」の4つのアイテムが定番とされています。これらのアイテムは、ホームズのキャラクターを象徴するものとして広く知られており、多くの人々が彼をこれらのアイテムと結びつけて思い浮かべることが多いです。

しかし実際には、アーサー・コナン・ドイルの『シャーロック・ホームズ』シリーズにおいて、ホームズが作中で鹿撃ち帽やインバネスコートを着用している描写は存在しません。これらのアイテムは、本が刊行された当初に掲載された挿絵や、後に制作された演劇、映画などのメディアによって広まったイメージです。挿絵や舞台設定が視覚的に捉えられることにより、そのイメージが強く定着し、読者や観客にとっての「シャーロック・ホームズ」の象徴となってしまいました。

実際には、原作の中でのホームズの服装は、特に詳細に描かれているわけではなく、彼のキャラクターの核心部分はその服装に依存しているわけではありません。それにも関わらず、視覚メディアによって形成されたイメージが強く印象づけられることで、鹿撃ち帽やインバネスコートなどのアイテムがホームズの象徴として定着してしまったのです。これは、文学作品が視覚メディアによってどのように変容し、新たなイメージを生み出すかを示す興味深い例であり、作品がいかに視覚的な解釈に影響されるかを物語っています。

明智小五郎

明智小五郎は、初めて登場した時の服装が「木綿の着物」や「浴衣」といった、いわゆる書生風の服装であったため、その初期のイメージはかなり和風でした。彼が登場する作品では、まだ洋装が一般的ではない時代背景を反映し、彼の服装も伝統的な和装で描かれていました。これは彼のキャラクターが当初、日本的な雰囲気を持つ人物として設計されていたことを示しています。

しかし、物語が進行するにつれて、特に御茶ノ水に事務所を構える頃になると、明智小五郎の服装は「背広」に変わりました。この変化は、彼のキャラクターがより現代的で都市的なイメージにシフトしていったことを反映しています。背広は西洋のビジネススーツであり、これにより小五郎はより洗練された、プロフェッショナルな探偵像として描かれるようになったのです。

さらに、挿絵やイラストでは、明智小五郎がきっちりと整髪した姿で描かれることが多いですが、小説の中では「もじゃもじゃ頭」といった、少し乱れた髪型の描写が見られます。このように、挿絵と小説中の描写にはイメージの違いがあり、これはキャラクターがどのように視覚的に表現されるかによって受け取られる印象が大きく異なることを示しています。ホームズと同様に、明智小五郎のイメージもメディアによる解釈や視覚表現によって変化し、読者や観客に対して異なる印象を与えることがあるのです。このような違いは、キャラクターの多面的な魅力を示す一例でもあります。

金田一耕助

金田一耕助の服装は、昭和初期の「書生」の一般的なスタイルに基づいています。彼の特徴的ないで立ちは、「しわだらけの着物」「羽織」「袴」「帽子」「下駄」といったもので、まさに当時の典型的な書生を思わせるものでした。このスタイルは、彼のキャラクターに独特の時代背景と風格を与えており、読者に昭和初期の日本の雰囲気を伝える要素となっています。

また、金田一耕助の服装や癖は、明智小五郎と似ている部分が多く、両者は書生風のいで立ちや、いくつかの特徴的な癖を共有していることがわかります。特に、金田一の服装や全体的な雰囲気は、「コウモリに似ている」と評されることもあり、これは彼の独特の外見や雰囲気を表現するための表現でもあります。金田一の姿勢や風貌は、少々風変わりで、やや神秘的な印象を与えることが多かったようです。

ただし、金田一耕助はたまに洋服を着ることもあり、その際には「貧弱なサラリーマン」と評されたりすることもありました。洋装のスタイルでは「派手なチェックのアロハシャツ」や「ハンチング帽」「眼鏡」などを着用したことがあり、このような洋装の姿は彼のキャラクターに新たな一面を加えるものでした。アロハシャツやハンチング帽といったアイテムは、彼の日本的な書生スタイルとは対照的であり、彼の多面性を引き立てています。このように、金田一耕助の服装や外見の変化は、彼のキャラクターに深みと変化をもたらし、読者に対して興味深い印象を与えています。

コロンボ

コロンボの定番のいで立ちは、「よれよれのレインコート」「よれよれの背広」「葉巻」といったものです。このスタイルは、彼の探偵としての独特のキャラクターを際立たせるためのものであり、しばしばホームレスと間違われてしまうこともあるほどです。その服装のヨレヨレ感や、どこかぼろぼろに見える外見が、逆に彼の人間味や親しみやすさを引き立てています。

特にコロンボが着ているレインコートには裏地がなく、防寒性能も全く備わっていないことが知られています。冬の寒い日に外で活動するには非常に寒そうで、実際には防寒のためには不向きなアイテムです。これもまた、コロンボの風貌を形成する一因であり、彼が如何に普段着で人々と接するかを物語っています。

また、コロンボが着用するレインコートや背広は、実はコロンボを演じた俳優ピーター・フォークが私物を持ち込んで使用していたものであることが知られています。ピーター・フォークは、これらの服装を持ち込むことでコロンボに個性的な風貌を与えようとしたとされています。このような個性的な服装の選択は、コロンボのキャラクターに独自の魅力を加え、彼の探偵としての印象を深めることを狙っていたのです。さらに、コロンボが活動するカリフォルニアでは、雨が非常に少ないため、レインコートの実用性はほとんど無いと言えますが、それでもこのレインコートは彼のトレードマークとなり、視聴者に強く印象付けられることとなりました。

実際の探偵の服装は?

探偵に関するフィクション、例えば小説や映画の中で描かれる探偵たちは、しばしば非常に個性的で目立つ服装をしています。時代設定やキャラクターの個性によって、彼らの服装はそれぞれ異なり、現代の探偵が実際に着る服装とは大きくかけ離れていることが多いです。たとえば、シャーロック・ホームズのトレンチコートや、エルキュール・ポアロのスーツなど、これらの衣装は非常に印象的であり、フィクションの中では探偵の象徴的なスタイルとして描かれています。

しかし、現実の探偵の服装は、これらの架空の探偵たちとは大きく異なります。現代の探偵たちは、調査の内容や状況に応じて、非常に実用的で目立たない服装を選ぶことが一般的です。探偵の服装は、調査の種類や場所に応じて大きく変わります。

例えば、依頼者との面談や重要な打ち合わせを行う場合には、ビジネススーツやフォーマルな服装が適切です。こうした場面では、プロフェッショナルな印象を与えるために、整った服装が求められます。スーツやジャケット、シャツなどのフォーマルな服装が、依頼者に信頼感を与え、調査の依頼や契約をスムーズに進める助けとなります。

一方で、調査現場での尾行や張り込みを行う場合には、探偵の服装はその目的に応じて非常にカジュアルで目立たないものが選ばれます。尾行調査では、探偵は調査対象に気づかれないようにする必要があるため、目立たず、周囲に溶け込むような服装が適しています。ジーンズやジャケット、スポーツウェアなど、調査現場や環境に合わせた服装が求められます。

また、調査現場が特定の場所や時間帯によって異なる場合、例えば屋外の公園や繁華街、商業施設などでは、その環境に適した服装を選ぶ必要があります。天候や時間帯、調査対象の行動パターンに応じて、探偵は適切な服装を選び、調査を成功させるために最適な準備を整えます。

このように、現実の探偵たちは、依頼者との面談や調査の内容に応じて、服装を巧みに使い分けています。架空の探偵たちの個性的な服装とは異なり、現実の探偵たちは実用性と状況適応を重視した服装で、調査の成功に向けて日々努力を重ねているのです。

依頼者に会う服装は「きちんとした身なり」

依頼者に会う時は原則として「スーツ」姿となります。スーツはもちろんビジネス用途のスーツです。

探偵の調査契約は高額な部類に入りますし、お客様である依頼者と会う際にはやはりきちんとした身なりが必要とされます。

カジュアルな服装で初対面の人に信頼してもらうのはなかなか厳しいので、このあたりは他の多くの仕事と変わりません。

同じスーツでもいわゆるギャングのようなスーツを着てしまう人がたまにいるのですが、依頼者の前では当然NGです。

尾行で必要な服装は「溶け込む」こと

尾行する調査員の服装で何よりも大事なことは「周囲に溶け込む」ことがセオリーとなります。

例えば、オフィス街の会社の出入口付近などで張り込みを開始する際に、スーツ姿だと周囲の人たちに溶け込むことができます。

しかし、観光地巡りをしている不倫カップルを尾行する時にスーツ姿ではかなり目立ってしまいますので、逆にカジュアルな服装の方が観光客として溶け込めるでしょう。

但し、尾行中にカジュアルな服装の方が好ましい場所に行ったとしても、スーツからカジュアルに着替えたりすることは難しいため、最初に想定できる範囲で選択することとなります。

また、お察しかと思いますが、同じカジュアルな服装でも派手で個性的なファッションはNG、色は地味目でデザインもありふれた印象に残りにくいものを選ぶべきです。

ちなみに尾行中はビデオカメラやデジカメでの撮影を行うため、鞄やバッグを持っている人が多いです。

服装

探偵は変装もする?

もしかしたら探偵は「変装」をするというイメージがあるかもしれませんが、付け髭やカツラ等を使っている人はさすがにほとんどいないと思います。

但し、変装というほどではありませんが、外見の印象を変えるための服装の変化を使用しています。

探偵が変装するための服装

  • 伊達メガネ
  • 着脱しやすい上着
  • マスク

この三つくらいは常備している探偵は多いかもしれません。

尾行時に眼鏡をかけたり外したりするだけで誰でも簡単に顔の印象を変えることができるので、「伊達メガネ」はそのためのものです。

「着脱しやすい上着」も同じく、脱いだり着たりすることで服装の印象を変えることができます。

また、一昔前では「マスク」着用は不審者のイメージがありましたが、最近では季節問わず着けている人も多いので、伊達メガネと同じくつけたり外したりして印象を変えるために使われています。

そして、これらを組み合わせることによって手軽に何パターンかの服装を作り変装することができます。

探偵が変装するための服装②

  • リバーシブルジャンパー
  • すぐ着脱できるネクタイ
  • サングラス

上記のような服装で変装する人もいます。

少し解説すると「リバーシブルジャンパー」は裏返しても着ることができるジャンパーで、裏返すと別の色になり印象が変わります。

また、ネクタイの有り無しでも印象は変わるため「すぐ着脱できるネクタイ」があると便利です。

「サングラス」着用はどちらかと言えば怪しく見られたり目立ってしまうものですが、張り込み中に逆光で見えにくい状況ではあえて使用する場合があります。

車を使用する現場ではいろいろ持ち運びも可能ですが、徒歩尾行ではせいぜい上記のような小物程度となるでしょう。

探偵の服装まとめ

上記に書いたものはあくまで傾向であって、実際のところは探偵である人がどんな服装をしようと自由であり「自己責任」だと思います。

ド派手な服を着て尾行をしてもバレなければOKですし、カジュアルな服装で依頼者と会っても信頼を得て契約してもらえれば問題はありません。

しかし、現場の調査員として尾行がバレる、あるいは相談担当者として依頼者から信頼が得られない等の問題があるのであれば、まずはその服装から改善する必要があるということです。