服装・変装
探偵が尾行する時の服装やファッションがどのようなものなのか、あるいは探偵は変装するのかどうか、気になったことはありませんか?
参考までに、よく聞く架空の名探偵たちの服装は次のようになっています。
架空の名探偵たちの服装の例
シャーロックホームズ
ホームズの服装は有名で「鹿撃ち帽」「インバネスコート」「パイプ」「虫眼鏡」という4つが定番ですね。
しかし、鹿撃ち帽やコートというイメージは、本が刊行された時に描かれていた挿絵や演劇によるもので、作中では着ていないらしいのです。
やはり実際に視覚でとらえられる分だけそのイメージが広まってしまったということでしょうね。
明智小五郎
最初の登場時は「木綿の着物」「浴衣」など書生風、しかし御茶ノ水に事務所を構える頃には「背広」を着用するように変わったんですね。
また、挿絵などではきっちり整髪した姿で書かれてたりしますが、小説中では「もじゃもじゃ頭」だったりと、ホームズのようなイメージの違いが見られます。
金田一耕助
「しわだらけの着物・羽織」「袴」「帽子」「下駄」といういで立ちで昭和初期の「書生」の一般的スタイルだったそうです。
明智小五郎と同じように書生風のいで立ち、癖まで似ていました。「コウモリに似ている」と言われてしまう雰囲気を醸し出していたようです。
たまに洋服を着ることもあり「貧弱なサラリーマン」などと評されたりもしますが、「派手なチェックのアロハシャツ」「ハンチング帽」「眼鏡」なども着用したことがあります。
コロンボ
「よれよれのレインコート」「よれよれの背広」「葉巻」というのが定番のいで立ちで、場合によってはホームレスと間違われてしまうこともあるようです。
ちなみにレインコートには裏地がなく防寒性能はないそうです。冬に外で動くには寒そうですね。
また、レインコートや背広はコロンボを演じたピーター・フォークが私物を持ち込んだものであり、コロンボの風貌に個性を持たせることが狙いだったとのこと。(コロンボが活動するカリフォルニアは雨が非常に少ない)
実際の探偵の服装は?
時代設定が違うこともありますが、架空の探偵たちの服装はもし現代に生きていたとしたらそれぞれかなり個性的な服装です。
当たり前ですが、現実の探偵の服装はこれらの小説や映画の名探偵たちの服装とはずいぶん異なっています。
さらに依頼者に会うのか、調査現場で尾行するのかで探偵たちの服装は変わります。
依頼者に会う服装は「きちんとした身なり」
依頼者に会う時は原則として「スーツ」姿となります。スーツはもちろんビジネス用途のスーツです。
探偵の調査契約は高額な部類に入りますし、お客様である依頼者と会う際にはやはりきちんとした身なりが必要とされます。
カジュアルな服装で初対面の人に信頼してもらうのはなかなか厳しいので、このあたりは他の多くの仕事と変わりません。
同じスーツでもいわゆるギャングのようなスーツを着てしまう人がたまにいるのですが、依頼者の前では当然NGです。
尾行で必要な服装は「溶け込む」こと
尾行する調査員の服装で何よりも大事なことは「周囲に溶け込む」ことがセオリーとなります。
例えば、オフィス街の会社の出入口付近などで張り込みを開始する際に、スーツ姿だと周囲の人たちに溶け込むことができます。
しかし、観光地巡りをしている不倫カップルを尾行する時にスーツ姿ではかなり目立ってしまいますので、逆にカジュアルな服装の方が観光客として溶け込めるでしょう。
但し、尾行中にカジュアルな服装の方が好ましい場所に行ったとしても、スーツからカジュアルに着替えたりすることは難しいため、最初に想定できる範囲で選択することとなります。
また、お察しかと思いますが、同じカジュアルな服装でも派手で個性的なファッションはNG、色は地味目でデザインもありふれた印象に残りにくいものを選ぶべきです。
ちなみに尾行中はビデオカメラやデジカメでの撮影を行うため、鞄やバッグを持っている人が多いです。
探偵は変装もする?
もしかしたら探偵は「変装」をするというイメージがあるかもしれませんが、付け髭やカツラ等を使っている人はさすがにほとんどいないと思います。
但し、変装というほどではありませんが、外見の印象を変えるための服装の変化を使用しています。
探偵が変装するための服装
- 伊達メガネ
- 着脱しやすい上着
- マスク
この三つくらいは常備している探偵は多いかもしれません。
尾行時に眼鏡をかけたり外したりするだけで誰でも簡単に顔の印象を変えることができるので、「伊達メガネ」はそのためのものです。
「着脱しやすい上着」も同じく、脱いだり着たりすることで服装の印象を変えることができます。
また、一昔前では「マスク」着用は不審者のイメージがありましたが、最近では季節問わず着けている人も多いので、伊達メガネと同じくつけたり外したりして印象を変えるために使われています。
そして、これらを組み合わせることによって手軽に何パターンかの服装を作り変装することができます。
探偵が変装するための服装②
- リバーシブルジャンパー
- すぐ着脱できるネクタイ
- サングラス
上記のような服装で変装する人もいます。
少し解説すると「リバーシブルジャンパー」は裏返しても着ることができるジャンパーで、裏返すと別の色になり印象が変わります。
また、ネクタイの有り無しでも印象は変わるため「すぐ着脱できるネクタイ」があると便利です。
「サングラス」着用はどちらかと言えば怪しく見られたり目立ってしまうものですが、張り込み中に逆光で見えにくい状況ではあえて使用する場合があります。
車を使用する現場ではいろいろ持ち運びも可能ですが、徒歩尾行ではせいぜい上記のような小物程度となるでしょう。
探偵の服装まとめ
上記に書いたものはあくまで傾向であって、実際のところは探偵である人がどんな服装をしようと自由であり「自己責任」だと思います。
ド派手な服を着て尾行をしてもバレなければOKですし、カジュアルな服装で依頼者と会っても信頼を得て契約してもらえれば問題はありません。
しかし、現場の調査員として尾行がバレる、あるいは相談担当者として依頼者から信頼が得られない等の問題があるのであれば、まずはその服装から改善する必要があるということです。