(浮気との違い)
恋人、夫、妻がいるのに、他の異性と肉体関係を持つことを「浮気」といいますが、一般的には浮気の他に「不倫」という言葉もよく使われますよね。
ただ、同じ意味で使われることがある浮気と不倫ですが、言葉の意味を考えると厳密には完全に同じというわけではありません。
浮気とは
浮気というのは恋人以外の者と親密になったり、もしくは交際関係になることで、肉体関係があってもなくても浮気と言われたりします。
浮気は「浮ついた気持ち」の略とも言われているので、「恋人じゃない人を好きになった」「配偶者以外の人に心奪われた」など主に気持ち的なことが意味に込められていると言えるかもしれませんね。
若い恋人たちの間では不倫と言う言葉より浮気という言葉を使用する機会の方が圧倒的に多いでしょう。
不倫とは
一方、不倫はすでに結婚している人が当事者に含まれており「配偶者を持つ者が、配偶者以外の者と肉体関係を持つこと」となります。
これを法的には「不貞行為」と言い、民法709条の不法行為に該当します。
浮気もそうですが、肉体関係があることが不倫の大きな要素であり、逆に肉体関係がない場合は浮気とは言ってもまず不倫とは言いません。
もっと言えば以下の3つのパターンが考えられますが、全て不貞行為に該当します。
1.配偶者を持つ者が配偶者以外の者と肉体関係を持つ
自分が結婚しているのに、夫や妻以外の人物と肉体関係を持ってしまうケースです。
2.配偶者を持つ者と肉体関係を持つ
自分が独身でも交際相手に夫や妻がいるケースも不貞行為となります。
ちなみに相手が既婚者であることを知らず、そのことに過失がなかった場合は不貞行為は免れます。
3.配偶者を持つ者同士で肉体関係を持つ
お互いに配偶者を持つ者同士の肉体関係も当然不貞行為となります。
それぞれの家庭に影響が出るので最もトラブルの度合いが高くなる可能性があります。
上記3つのパターンのように、たとえ自身が独身であっても、結婚して夫(妻)のいる者と関係を持てば不倫関係(不貞行為)となるということです。
また、配偶者のある者同士の不倫は「ダブル不倫(W不倫)」などと呼ばれますが、どこかで耳にしたことがある言葉ではないでしょうか。
不貞行為は罪に問われることはありませんが、民事上の違法行為であり、訴えられて敗訴した場合は損害賠償金(慰謝料)を支払わなければなりません。

不倫=人の道を外れる
不倫について少し補足すると、1980年代のドラマ「金曜日の妻たちへ」の放送が不倫という言葉を「配偶者を持つ男女が他の者と交際すること」という意味として定着させたようです。
もともとは不倫という言葉自体には「倫理的でない」「人の道を外れる」という意味があるため、不貞行為が現代では人の道を外れることの一つの象徴的な行為である、と言ってもよいのかもしれません。
古くは日本も一夫多妻制であった時代があり、夫が妻以外の女性と性交渉を持つのはごく一般的とされていた時代もあります。
但し、妻が他の男性と関係を持つことは許されず、かつて存在した姦通罪は既婚女性とその相手にのみ適用され、1900年代前半まではそれが続いていたのです。
いわゆる男尊女卑とも言え、現代に生きる者には到底許されない考え方です。
時代の変化により男女平等が訴えられてきたのは当然の帰結と言えるでしょう。
但し、とりあえず男女平等になってからも「浮気は男の甲斐性」などと、男性の浮気は容認・寛大にとらえるような風潮がありました。
亭主関白など時代をさかのぼるほど人々は男尊女卑に近い風潮を受け入れていたのかもしれません。
近年は女性の地位や立場も向上していますが、一方で妻の不倫が増えてきているのは興味深いところです。
浮気調査