興信所に調査を依頼したいけれど「興信所は料金が高いのでは」とためらっている方もいるかもしれません。興信所の調査料金をネット検索してみると、確かに世間一般のサービス業に比べても割高な金額がヒットすることがほとんどです。
興信所の調査費が高くなってしまうことには、どのような理由が考えられるのでしょうか? 今回は、興信所に依頼したときの平均費用や、依頼時に気をつけるべきポイントについて解説していきます。
興信所に調査依頼をするときの平均費用とは?
興信所の料金形態にはいくつかのパターンが考えられます。
ここでは、興信所に最も多く持ち込まれる依頼である浮気調査を例に、一般的な興信所における平均額について見ていきましょう。
1. 時間料金制を採用している興信所の平均費用
時間料金制とは、1時間単位または1日単位で料金を規定することをいいます。
時間料金制の興信所は、調査が難航した場合には費用がどんどん増えてしまうものです。その一方で、調査が短時間で済むのであればかなりお得に調査できることもあります。
時間料金制の興信所では、調査員1名が1時間調査したときの単価を提示することがほとんどです。この単価相場は7,000~12,000円ほどとなります。
2. パック料金制を採用している興信所の平均費用
着手金や調査費用、機材の費用などがすべて含まれているパック料金制を採用する興信所もあるものです。
パック料金制には金額が分かりやすいという利点があります。また、調査に時間がかかった場合でも規定の金額を超える心配がありません。ただし、調査が短時間で終わった場合でも規定のパック料金を支払う必要があります。
パック料金制の興信所の料金相場は、すべて込みで40万円~120万円程度です。
3. 成功報酬制を採用している興信所の平均費用
成功報酬制とは、調査が成功した場合のみ成功報酬が発生するというシステムのことをいいます。つまり、調査をしたにも関わらず証拠が見つけられなかったときには、成功報酬を支払う必要がないということです。証拠をつかめなければ調査員に成功報酬が発生しないため、業務怠慢の心配がないというのが成功報酬制のメリットです。
とはいえ、こちらのプランには成功報酬とは別に着手金や基本料金が必要になることがほとんどです。証拠が見つからなかったからといって興信所の利用料金が無料になるということはないので注意しましょう。
成功報酬制の興信所の依頼費用は、着手金や基本料金が30~50万円程度、成功報酬が40~70万円ほどとなっています。
興信所の依頼費用が高い理由とは?
興信所の業務は薄利多売の形式をとることができません。頻繁に興信所を利用する人はなかなかおらず、人生の中で数回利用する方、または一度も興信所を利用しない方のほうが圧倒的に多いものです。そういった状況で興信所がプロとしてクオリティの高い仕事を提供するためには、どうしても料金設定が高めになってしまうものなのです。
興信所の調査員は対象者に気付かれないように尾行をしたり、決定的瞬間を上手に撮影したりといった高いスキルを持ち合わせています。ターゲットにバレてしまうリスクを避けて結果を出してもらうためには、相応の対価が必要となるのです。
金額の安い興信所には落とし穴があるかも?
ウェブ検索を行うと、他の興信所や探偵事務所と比較して桁違いに安い金額を提示する興信所や探偵事務所が見つかることがあります。確かに、必要経費を抑えたり、効率的な運営を行うことでコストを削減し、その結果として安価な料金を提供している企業も存在します。このような場合、興信所や探偵事務所が実際に高品質なサービスを提供しながらも、経済的な価格で依頼を受けることができる場合もあります。
しかし、見積もりの段階で提示される金額があまりにも安すぎる場合には、慎重に検討する必要があります。極端に低い料金設定は、何らかのリスクや問題が潜んでいる可能性があるためです。たとえば、料金が異常に安い理由として、以下のような点が考えられます。
- 機材や人員の質が低い: 安い料金でサービスを提供するために、古い機材や経験の少ないアルバイト調査員を使用している場合があります。このような場合、調査のクオリティが低くなる可能性があり、期待する結果が得られないリスクがあります。
- 追加料金の発生: 初期の見積もりが非常に安価であっても、調査が進むにつれて追加料金が発生することがあります。これにより、最終的には予想以上の費用がかかる可能性があるため、見積もりの詳細をよく確認し、追加料金の有無やその条件についても理解しておく必要があります。
- サービス内容の不明確さ: 安い料金設定が理由で、提供されるサービス内容が不十分であったり、必要なサポートが欠けている場合があります。興信所や探偵事務所の提供するサービスが実際にどのようなものか、事前に詳細に確認することが重要です。
- 信頼性の問題: 異常に安い料金を提示する興信所や探偵事務所の中には、信頼性に欠ける場合もあります。過去の実績や評判、契約内容の透明性などを確認し、信頼できる業者かどうかを判断することが大切です。
そのため、見積もり時に提示される金額が極端に安い場合には、その理由や内訳をしっかりと確認し、必要なサービスが含まれているかどうかを確かめることが不可欠です。また、複数の興信所や探偵事務所から見積もりを取ることで、相場感を把握し、納得のいく選択をするための参考になります。安さだけでなく、サービスの質や信頼性を重視して選ぶことが、後悔のない調査依頼につながるでしょう。
ここからは、安価な見積もりを出す興信所に対する注意点についてチェックしていきましょう。
実際の請求が高額になる可能性がある
見積もりの段階で提示される金額が非常に安価であったにもかかわらず、実際に請求される金額が予想以上に高額になるというトラブルが実際に発生することがあります。このようなトラブルの原因として、機材の使用料や書類作成料といった名目で追加料金が請求されるケースや、調査費用が水増しされるケースが挙げられます。追加料金や費用の水増しは、調査を依頼した後に発生することが多く、事前にしっかりと確認しておかないと、思わぬ高額請求に悩まされることになります。
例えば、見積もり時には含まれていなかった機材の使用料や、調査後に必要となる書類の作成費用が追加で請求されることがあります。また、調査費用そのものが、実際には見積もり額以上に膨らんでしまうこともあります。このような追加料金や費用の増加は、契約前に詳細に確認しておかないと後から発覚し、予想以上の出費を強いられることになります。
トラブルを避けるためには、見積もりの段階で提示された料金に含まれる内容について詳細に確認することが重要です。具体的には、機材の使用料や書類作成料が含まれているか、追加で発生する可能性のある費用がどのようなものかを事前に確認し、見積もり額が最終的な請求額になるかどうかを確認しておくべきです。さらに、契約書や合意書に記載されている料金の詳細についてもよく確認し、追加料金が発生する条件やその額について明確にしておくことが必要です。
もし追加料金が発生する場合には、その理由や具体的な金額についても事前に説明を受けておくと安心です。これにより、後から不明瞭な請求に困ることが少なくなります。しっかりとした確認と説明を受けた上で契約することで、予想外の高額請求を防ぐことができるでしょう。
満足のいく調査結果が得られない場合がある
利益を最大化しようとするあまり、経験のないアルバイトを調査員として起用したり、人件費や経費を極限まで削減したりする興信所も存在します。このようなアプローチは、興信所の運営コストを低く抑えるための手段として用いられますが、その結果として調査のクオリティが低下することがあります。調査員が十分な経験や専門知識を持っていない場合、調査の精度や成功率に影響を及ぼす可能性が高くなります。
具体的には、経験の浅い調査員が浮気調査を担当すると、ターゲットに気づかれてしまうリスクが増加するほか、調査手法や証拠の取り扱いに不安が生じることがあります。例えば、調査員が十分に熟練していない場合、対象者の行動を正確に追跡することが難しくなり、その結果として証拠を確実に収集できないことがあります。また、調査の過程で予期せぬトラブルが発生した際にも、経験不足が原因で対応が不十分になる可能性があります。
さらに、人件費や経費を極限まで削減すると、調査に使用する機材やツールが最新のものでなくなったり、調査の際のサポートが不十分になることがあります。これにより、調査の結果が期待通りでなくなり、本来であれば比較的簡単に解決できる案件でも、ターゲットにバレてしまったり、証拠が見つけられなかったりするリスクが高まります。特に、証拠の確保が重要な浮気調査においては、調査の質が直接的に結果に影響を与えるため、安価な興信所に依頼することで、思わぬトラブルに見舞われることがあります。
したがって、興信所を選ぶ際には、費用だけでなく、調査員の経験や使用する機材、過去の実績なども考慮することが重要です。安価なサービスに惹かれるあまり、調査のクオリティが低下してしまうリスクを避けるためには、料金とサービス内容のバランスを慎重に検討し、信頼できる興信所を選ぶことが最善です。
使用している機材の性能が低い可能性がある
古い機材や性能の低い機材を使用していることが、興信所の費用が安く抑えられている一因である可能性も考えられます。機材の性能が低い場合、調査の結果として得られる証拠の質に直接的な影響を及ぼすことがあります。例えば、古いカメラや録音機材では、画像が不鮮明であったり、音声にノイズが混じっていたりすることがあり、これでは証拠としての信頼性が欠けてしまうことがあります。
具体的には、不鮮明な画像や判別不能な音声データでは、証拠としての価値が低く、裁判や報告書などで使用する際にも問題となることがあります。証拠として採用されるためには、クリアで高品質なデータが求められますが、古い機材ではそのクオリティが確保できない場合があります。その結果、調査の成果が期待通りでなくなることが多く、重要な証拠が得られないリスクが高まります。
調査依頼を検討する際には、興信所が使用する機材について事前に確認しておくことをおすすめします。具体的には、どのようなカメラや録音機材を使用しているのか、またその機材の性能や最新の技術を取り入れているかどうかを確認すると良いでしょう。新しい機材や高性能な機材を使用している興信所であれば、調査の質が高く、より確実な証拠を収集できる可能性が高くなります。
また、機材に関する情報は、興信所の信頼性やプロフェッショナリズムを測る一つの指標となるため、機材のアップデートやメンテナンスの頻度についても質問してみると良いでしょう。興信所が最新の技術や機材を使用している場合、その調査の精度や効率も高く、結果として得られる証拠の質も良好であることが期待できます。適切な機材を使用している興信所を選ぶことで、調査の成功率や証拠の信頼性を高めることができるでしょう。
安心して依頼できる興信所の選び方
料金が時間制の興信所では、何人で調査が行われるのか、追加料金がかかるのかなどを尋ねておくとよいでしょう。また、使用している機材についても確認しておけば安心です。
成功報酬制の興信所の場合には、なにをもって成功とみなすのかを確認しておきたいものです。証拠が見つからなくても調査自体は成功したという論理で成功報酬を請求されるケースもあるので、十分気をつけましょう。
興信所を選ぶときには、一般的な相場について把握しておきたいものです。また、興信所の金額だけでなく調査の方法や質についてトータルでチェックしましょう。不明な点があるときには納得できるまで調査員に質問し、不審だと感じた場合には依頼を見送るのが賢明です。
あとあと後悔しないためにも、十分に情報を集めた上で自分に合った興信所を選ぶようにしたいものです。
興信所への調査費用が高いことには、クオリティの高い捜査をするためという理由があります。興信所に依頼するにあたって料金が気になる方は、まずは見積もりを試してみるとよいでしょう。
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