興信所・探偵事務所の大手とはどのようなものなのか
大手の興信所や探偵事務所は、その規模や知名度、実績から一定の信頼性を持っており、クライアントが安心感を抱くことがあります。しかし、大手であるからといってすべてが安心とは限りません。以下に、大手興信所や探偵事務所に依頼する際のメリットとデメリットを考えてみましょう。
メリット:
信頼性と実績: 大手の興信所や探偵事務所は、多くのクライアントとの取引実績があり、業界での知名度も高いため、一定の信頼性が期待できます。
専門家の在籍: 大手では、経験豊富で専門的なスキルを持った調査員や専門家が在籍していることがあり、高度な調査が期待できます。
充実の設備と技術: 大手は調査に必要な充実した設備や最新の技術を有していることがあり、これにより効率的かつ精密な調査が可能です。
デメリット:
高額な費用: 大手での調査は一般的に高額となります。ブランド価値や設備の充実度に対するコストが料金に反映されるため、予算に制約のあるクライアントにはハードルが高い場合があります。
個別対応の不足: 大手は多くのクライアントを抱えているため、個々のクライアントに対するカスタマイズされた対応が難しいことがあります。クライアントの要望に柔軟に対応できない場合があります。
情報漏洩のリスク: 大手は情報を多く取り扱うため、情報漏洩のリスクが高まります。特にプライバシーに敏感な調査においては慎重な選択が求められます。
クライアントが興信所や探偵事務所を選ぶ際には、大手かどうかだけでなく、具体的な調査内容や予算、クライアントの要望に合った事務所を検討することが重要です。大小に関係なく、事前の十分な調査や相談が安心して依頼するための重要なステップです。
大手興信所・探偵事務所の特徴
そもそも「大手」とは…
同種の企業の中で、特に規模の大きい会社。
他社と比べて規模が大きい興信所・探偵事務所と言うことになります。
代表的な特徴
- 従業員が数十人~100人程度いる(相談員も含む)
- 全国規模で探偵業を展開しており、支店数が多い
- 看板や電車内広告、メディア出演などお金のかかる宣伝をしている
大手と呼ばれる探偵の特徴を挙げると上記項目などがあります。
大手だと勘違いしてしまう例
- 大手と自称しているだけである
- フランチャイズ展開をしている
- 実際には小規模な支店や存在していない支店が多い
- メディア出演実績がある
- ホームページが立派である
探偵業界では以前から自社を大手と見せかけるケースや、お客さんが大手だと勘違いするようなケースがたびたび見られます。
例えばホームページをお金をかけて綺麗に作り、メディア実績や提携弁護士・警察OBなどを掲載、小さな支店でも全国に満遍なくあるようにすれば大手探偵のように思えてしまいます。
また、フランチャイズは全国展開に見えてもそれぞれの事務所が独立して営業しているので全国に支社があるのとは少し異なります。
継続的な宣伝費用のかけ方・メディア出演回数などでおおよその見当をつけることはできますが、現状では数社程度しか大手は存在していないのが実情です。
大手興信所・探偵事務所に依頼するメリット・デメリット
メリット
- 規模が大きいため安心に思える
- 大がかりな調査が可能
大きい会社(大手)にはそれだけの質があると通常は考えるものですので、心理的に安心に思えるでしょう。
また、会社の規模が大きい分、多くの人員を使用した大がかりな調査を行う力があると考えられます。
デメリット
- 料金が高額傾向にある
- 実力の保証とはならない、トラブルがないわけではない
大手といわれる所以は支店の多さとそれに伴う従業員の多さ、事務所の立派さなどですが、そういった大手の体裁を保つにはそれだけの費用が必要となります。
調査に専属の人員を必要とする探偵業の性質上、より多くの資金を稼ぐには一つ一つの依頼料を高くする必要があるでしょう。
また、探偵業界において「大手だから安心」というのは心理的なものに過ぎず、本当にそうなのか?の十分な根拠があるわけではないと思います。
正直に言いまして「他社がどれくらい優れているのか」というのは実際に業界内での横のつながりがある範囲でしかわからず、守秘義務があるだけに他社の良い評判が広がりにくいというのがあります。
(※上手くいった仕事を一つ一つ他社や他人に言いふらすことなどできません。)
逆に悪い噂は割と回ってしまうもので、トラブルにあった依頼者の苦情が調査業協会などから業界内に広がるというケースがあります。
探偵業界に大手が少ない理由?
探偵事務所が大手化し、多くの従業員を抱えることで得られる利点と同時に、その規模が逆に課題を生む可能性があります。以下に、大手探偵事務所が直面する課題やリスクについて考察してみましょう。
- 依頼数の限界とリソースの調整:
大手探偵事務所が抱える調査員やスタッフの数には一定の限界があります。依頼が殺到した際に、過度な受け入れがサービスの品質低下や効率悪化を招く可能性があります。リソースの調整が求められます。 - 依頼途切れへのリスク:
大手であればとりあえず多くの依頼を受けられるものの、市場の変動や競合他社の存在により、依頼が途切れるリスクがあります。依頼が途切れると、多くのスタッフを抱える大手はコスト負担が大きくなり、事業の安定性が揺らぐ可能性があります。 - 宣伝費用とビジネスサイクル:
大手探偵事務所はブランド維持や新規顧客の獲得のために継続的な宣伝費用がかかります。依頼を受けるとその収益を宣伝に再投資することが必要であり、ビジネスサイクルが自転車操業的になる可能性があります。 - ブランドの維持とクオリティの保持:
大手であるが故に期待されるサービスのクオリティを保つことは課題です。従業員のスキル向上やトレーニングにコストと時間をかける必要があります。 - カスタマイズされたサービス提供の難しさ:
大手では規模の拡大とともに個別のクライアントニーズに応じたサービス提供が難しくなります。個別対応のためには柔軟な態勢が求められますが、大手ではこれが難しい場合があります。
まとめ:
大手探偵事務所が規模を拡大することで得られる利点も多い一方で、これらのリスクにも注意が必要です。成功するためには、クライアントフォーカス、効率的な運営、市場の変化への適応力が求められます。最終的には、クライアントの期待に応えつつ、事業を持続可能な形で成長させる戦略が必要です。
現代の探偵業界において、ネットからの受託が主流となった中で、探偵社のリスク管理はますます重要となっています。ここ数年で知名度のある探偵社が倒産する事例も見受けられ、その主な原因として以下の点が挙げられます。
1. ネットからの受託とリスク: ネットを介しての受託は増加傾向にありますが、これにはクライアントの信頼性や誠実性を確認しにくいというリスクが伴います。ネットを通じた顧客獲得が一因となり、業界全体での信頼性の低下が懸念されます。
2. 探偵社の倒産とリソース管理: 探偵業は従業員や調査員、スタッフの技術や経験がカギとなりますが、これに対するコストがかさむことがあります。特に大規模な業務体制を維持することは経済的に厳しい一方、それがないとクオリティの低下が懸念されるため、リソース管理は難題です。
3. フリーの探偵の活用: 探偵社はリソースを有効に活用するために、自社の所属だけでなく、外部のフリーランス探偵を積極的に活用する傾向があります。これにより、必要に応じて特定の調査に専門性の高い探偵を選定できるメリットがあります。
4. 大規模営業の向き不向き: 探偵業が大規模な営業には向いていないとの見方もあります。特に顧客との直接対話やカスタマイズされたサービス提供が求められる中、大規模な組織がそれに対応できるかどうかは疑問視されています。
まとめ: 現代の探偵業界においては、リスク管理やリソース活用が鍵となります。大手探偵社はこれらの課題に対処する一方で、外部リソースの有効活用や顧客対応の工夫が求められています。探偵業は変化する市場に適応し、信頼性を維持するために柔軟な経営が必要です。