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探偵業法違反

探偵業に関する法律として「探偵業法」という法律がありますが、興信所も尾行・張り込みを行う浮気調査等の営業をする上で探偵業法による規制を受けます。

探偵業法に違反する具体的なケースは、法令の解釈や変更によっても影響を受ける可能性があるため、一般的な規定に基づいて以下にいくつか例を挙げてみます。ただし、具体的な事例は法令の改正や地域によって異なりますので、最新の法令や地域ごとの規定を確認することが重要です。

未承認の調査: 探偵業法には、探偵業を行うためには許可や登録が必要な場合があります。未承認で調査を行うことは違法となります。

プライバシーの侵害: 被調査者のプライバシーを侵害する行為や、不正な手段で情報を入手することは禁止されています。

虚偽の報告: 調査結果を虚偽で報告することや、偽造された情報を提供することも法令に反する可能性があります。

不当な報酬の請求: 契約や料金に関する取り決めを守らないこと、または不当な報酬を請求することも問題となります。

不法侵入や盗聴: 被調査者の居所に無断で侵入したり、盗聴器を使用したりする行為は違法とされています。

これらの例は一般的な違反事例ですが、法令の改正や地域ごとの規定によって細かな要件が異なります。したがって、探偵業を行う者は法令を遵守し、地元の探偵業法を確認することが重要です。違反が発覚した場合、行政処分や刑事罰を受けることがあり、業界やクライアントからの信頼を損なう可能性があります。

探偵業法違反となるケース

1.無届け営業

探偵業は、営業所の所在地を管轄する警察署への営業開始届出が義務づけられています。その届出を行わずに営業をした場合は違反となります。

2.欠格事由のある者が代表者又は役員をしている

欠格事由とは「資格を持たない」という意味であり、下記項目が該当します。

  • 禁固以上の刑もしくは探偵業法違反による罰金刑を受けてから5年を経過していない。
  • 破産者であり復権していない。
  • 暴力団員、又は暴力団員でなくなってから5年を経過していない。
  • 成年擬制を経ていない未成年者、もしくはその法定代理人が上記項目に該当する。
  • 法人で役員のいずれかが上記項目に該当する。

3.名義貸し行為

他人に探偵業(興信所)の看板を貸して営業させることは違反行為です。

4.人の生活の平穏を害する行為

探偵・興信所の尾行や張り込みは原則として合法ではありますが、どんな風に尾行・張り込みしてもよいというわけではありません。

例えば、対象者等に尾行・張り込みが発覚し、相手に不安や恐怖を与えてしまうような尾行・張り込みは違反となってしまいます。

5.誓約書の交付を受ける義務違反

探偵業者(興信所)は「調査結果を犯罪や違法・差別行為に用いない」という内容の誓約書を依頼者と取り交わさなければなりません。

6.重要事項説明義務違反

探偵業法に定められている「重要事項」という項目について、依頼者に対して事前に書面を交付して説明を行う義務があります。

重要事項には、調査にかかる費用・経費の金額(概算額)、支払時期、支払い方法、契約の解除に関する事項、個人情報保護に関する事項などがあります。

7.契約の内容を明らかにする書面(契約書)の不交付・不備

契約の内容とは、浮気調査など具体的な調査の内容、及び契約時間や契約料金等の詳細についてです。

以前から業界内で契約に関するトラブルが頻発していることもあり、「契約書」の取り交わしは必ず行わなければなりません。

8.犯罪への加担・差別調査

依頼者から受けた調査の結果が犯罪行為(例えばDV被害者の所在探しなど)や差別・違法調査に用いられると知った時、探偵業者がその依頼を受けたり、調査中にその事実を知っても調査を中止しなかった場合は違法となります。

9.無届け探偵業者への業務委託

一般にはあまり知られていませんが、探偵業界では他社に業務の一部を委託(下請け)することがあり、その業務を無届け営業の探偵に委託した場合は違反となります。

10.守秘義務違反

探偵・興信所には守秘義務があります。調査で得られた情報を第三者等に漏洩させてはなりません。

探偵業の営業停止・営業廃止

探偵もしくは興信所が探偵業法違反・その他の法令違反をした場合、公安委員会から営業停止もしくは営業廃止命令を受けることがあります。

営業停止・営業廃止処分を受けた探偵・興信所は、名称とともに処分の内容が警察のウェブサイトに公開されてしまいますので、実際に営業が止まるだけでなく以後の活動にも大きく影響してしまうでしょう。

例)探偵業法に基づく行政処分 警視庁

探偵業法

罰則

探偵業法の違反は、法的な規制を受ける業務であるため、その違反は慎重に扱われるべきです。違反にはさまざまな影響があります。

前科の影響: 探偵業法の違反が判明した場合、前科がつく可能性があります。前科がつくことは、個人の信頼性や職業に対する信用を大きく傷つけることがあります。

懲役や罰金: 探偵業法の違反には、懲役や罰金などの刑事的な処罰が課せられる可能性があります。これは法の厳格な遵守が求められる業務であるため、法に違反した場合は厳しい制裁が待ちうけています。

業務制限や免許剥奪: 違反が重大な場合、探偵業の業務制限や免許の剥奪が行われる可能性があります。これにより、探偵業を行う能力が失われ、業界での活動が事実上不可能になることがあります。

業界イメージへの悪影響: 探偵業法の違反が広く知れ渡ると、業界全体のイメージに悪影響を与える可能性があります。他の探偵事務所やクライアントからの信頼を失うことが懸念されます。

したがって、探偵業を営む者は法的な規制を遵守し、倫理的な基準を守ることが不可欠です。これにより、業務の合法性と信頼性を確保し、業界全体の発展に寄与できます。法の範囲内でプロの探偵業務を行うことが、業界やクライアントとの信頼関係を築く基本です。

(主な違反内容と罰則)

1.営業停止・営業廃止処分違反
→一年以下の懲役もしくは百万円以下の罰金

2.無届け営業・名義貸し・公安委員会からの指示に対する違反
→六月以下の懲役もしくは三十万円以下の罰金

3.届出書の虚偽記載・重要事項説明書の不交付・従業者名簿の不備もしくは虚偽記載・警察の立ち入り検査の妨害等
→三十万円以下の罰金

いつできた

探偵業法は、日本においては2007年に制定されました。この法律は、「探偵業等の業務の適正な運営の確保等に関する法律」(通称:探偵業法)として知られています。制定の背景には、探偵業の適正な運営を確保し、クライアントや被調査者の権利を保護するための法的な基盤を整備する目的があります。

この法律によって、探偵業者は登録を行い、一定の資格や許可を得ることが求められます。また、業務の運営や調査の手法に一定の制約が課せられ、法に違反した場合には行政処分や刑事罰が科せられる仕組みとなっています。探偵業法の制定により、業界の適正な運営が促進され、利用者や被調査者の権利が保護されることが期待されています。

※探偵・興信所については以下のページもご参考ください。

違法