探偵の基本

探偵の基本はシンプルで理解しやすい。

探偵業務について日が浅い人物であっても「基本さえ心がけて業務を行って」いれば「探偵と呼ばれる資格がある」といえるだろう。

簡単な基本は日常業務の全てに相通じている。報告書に掲載する「画像選び一つ」をとっても「少しでも良い画像を」と考える探偵と「状況が理解できれば何でも良い」と考える探偵に別れるところだろう。

依頼人にとって「優秀な探偵」がどちらの探偵か?あらためて言葉にする必要はないだろう。

他にも探偵の優劣を判断する場面はある。

長期間に及ぶ調査案件において「退屈な日常の繰り返しを調査」する事があるが、殆どの探偵は「機械的な調査」を繰り返し実施するだけになる。同じ状況の中にも細かな変化を見つけ出す「調査人として必要なモチベーション」を維持継続し高める行為が出来る探偵は基本が出来ている。

このお話しは「探偵の基本」が何であるかを問うている。

探偵業務に従事している方ならば「即答できる基本」である。この問いに答えられない探偵が存在する事は無いと信じている。

探偵に必要な認識力

御依頼者の極めてプライベートな案件を取り扱う探偵業において「探偵の基礎的な認識力」は極めて重要となる。

依頼人が思い描く「ベストな調査結果」を導き出すために「探偵がチョイスする調査手法」がマッチするかどうか?の場面で「依頼人のオーダーを認識」する力が最も必要になるからである。

依頼人の意向を探偵が「充分に認識できない」状況下で調査を実施した場合に発生する「依頼人からの要望」は調査が進行した段階で増加することは危険である。

如何に経験豊富な探偵であっても「調査前の認識違い」を調査で回復することは困難であり、必ずと言って良いほど「言った言わない」のトラブルに発展する。お互いの認識を契約時に確認し合い「充分な確認」を済ませた上で調査に着手する事がのぞましい。

基本的な事ではあるが何事「コミュニケーション欠如」は負の要素を生み出すきっかけになるので充分注意したい。

2度手間

どのような職業についていても「行った業務にミスがないか確認」する事は一般的に常識といえる。

時間を有効につかう心がけは大いにけっこうな考え方

と思うが、「確認をおこたった時間の短縮」は無意味であり2度手間3度手間の原因になる。

仕事の電話一本を例にあげても「誰に何の用件で連絡した」か意図が電話口の相手に伝わらなければ「意味不明な通話」となってしまうことだろう。

簡単な連絡の電話に2,3回の通話を要していては「常識的な業務連絡の範囲」を逸脱した状況と判断でき、改善しなければ世間的には「常識の無い業務」を行う業者との認識をうけてしまう。

基本的な事柄を曖昧にせず「基本からコツコツ積み重ねる」努力をおこたっていてはけない。

探偵業に関して言えば「依頼人との連絡や判断を仰ぐ」連絡場面で2度手間3度手間は探偵の基本的資質が表面化しやすく「探偵の信頼度」にも関わる重要なポイントとなることは常識である。

このような基本的な業務をスムーズにこなせる探偵は信頼できる要素があるとも言える。

依頼人の勇み足

探偵が如何に敏腕だとしても回避できないリスクが存在する。

浮気調査においてお話しすれば「依頼人が浮気を疑っている」事実を対象者が感づいており調査初日から尾行や張り込みに警戒している。このようなリスクは回避しようが無く探偵を困惑させる。

散々ご自分で探偵顔負けの尾行・張り込みを実施し「浮気の現場」を証拠として残す事ができずに尾行を感づかれてしまい「探偵に依頼」などのパターンも同様である。正直なところプロの尾行でも警戒している対象者を尾行する行為は危険である。成功・失敗以前に法的に問題がある。

無理に尾行継続すれば「迷惑防止条例やつきまとい行為」にあたる可能性が存在する。

ご自分で情報を得る行為はリスクが大きく、探偵の立場から言えば最悪の場合「浮気の事実が存在していても証拠を得られない事態」になりかねないため慎重に事をすすめていただきたい。

探偵としてあたりまえ

探偵は依頼人の力になる職業である。

しかし、一部の探偵による悪意の営業行為により「探偵業界全体のイメージはどん底」といえる。何故、悪意の営業を取り締まらないか?

理解できない。

法律が機能しないならば新たに規制が増える事だろう。探偵業法ですら探偵としての活動に制限がかかった状態なのに「これ以上の制約・規制」は探偵の基本的な必要性に関わる範囲にまで及ぶ。

探偵が必要ない社会がくるかもしれない。

必要正義のための調査や自己防衛の為の調査までも行えない法をいかがなモノと考えるか?ご自分が自己防衛のために調査を行えない状況をあなたはどうおもうか?

これ以上のやり過ぎは的外れであると「はっきり断言できる」のである。

法律も的を得てなければ悪意の探偵を取り締まることはいつまでたっても出来ないだろう。